肉眼では見分けにくい模造ダイヤモンド

水晶やガラスをダイヤモンドのようにブリリアンカットを施して、いかにもダイヤモンドのように見せる模造ダイヤモンドは昔からありましたが、これらは、硬さや輝き方がダイヤモンドとは大きく異なるため、簡単に見破られる代物です。
しかし、最近では肉眼では見分けることができないような非常に精巧な模造ダイヤモンドが世に出回っているのです。
精巧な模造ダイヤモンドには、チタン酸バリウムやキュービックジルコニアという物質が使われ、これらの物質は輝き方がダイヤモンドと非常に似ているため、肉眼で判別することは非常に困難なのです。残念ながら、そのような模造ダイヤが世の中に出回っているのが実情です。
模造ダイヤを売りつけられる詐欺の被害に遭わないためにも、ダイヤモンドアクセサリーを購入されるお店は慎重にお選びいただきたいものです。
(当店では模造ダイヤモンドは一切取り扱っておりません。)
模造ダイヤモンドの見分け方
確実な方法は、やはり宝石の専門家に鑑別してもらうのが間違いないのですが、そこまで大げさな方法を取らなくとも、あくまでも簡易的な方法ですが、ご自身で簡単に見分ける方法があります。
■わざと曇らせて判別する方法
ダイヤモンドの熱伝道率は銀の約5倍もあります。ダイヤモンドは熱伝道率が高いのです。
この性質を利用した判別方法として、ダイヤモンドを冷蔵庫に入れて冷やします。冷蔵庫から取り出したら表面が曇りますが、本物のダイヤモンドであれば、表面の曇りはすぐに消えます。一方、模造ダイヤモンドは曇りがなかなか消えません。
本物と偽物を並べて息を吹きかけて曇らせ、どちらが早く曇りがなくなるか試してみれば分かりやすいです。
■マジックで書いてみる方法
この方法は、質屋でよく使われている手法だそうです。ダイヤモンドは親油性の高い物質(油になじみやすい)であるため、油性のマジックで書くことができます。一方、模造品は油を弾くので、油性ペンで書くとができません。インクを弾いてしまいます。
【店主の実験報告】
満天堂店主も、当店のダイヤモンドで実験してみました。
赤色のマジックペンで、ダイヤモンド全体を塗ってみましたところ、すんなりと色が染まりました。
ダイヤモンドが赤系の色に染まり、赤というより、まるでピンクダイヤのような異常に美しい輝きを放ちました。
これはこれでキレイなのでは?と感心していたのですが、指で擦っても色が落ちそうにないので焦りました・・・
しかし、心配は無用でした。台所の洗剤とスポンジでゴシゴシ洗いましたところ、ダイヤモンドの無色透明な輝きが見事に蘇りました。
それどころか、洗浄したことによって、手元のダイヤモンドはむしろ実験する前よりも美しく輝いているようにさえ見えました。
■水をたらしてみる方法
親油性の高さとは逆に、ダイヤモンドの水を弾く性質の高さを利用した方法です。
ダイヤモンドの表面に水滴をたらすと、表面の水滴は浮いて丸くなりますが、模造ダイヤモンドの表面では平たくなります。ただ、この方法だとあまりにも小さいダイヤモンドの粒ではダイヤモンドより小さい水滴を作るのが難しいため現実的ではありません。
■虫メガネで見る
宝石の商人などがルーペを片目にあててダイヤを凝視しているシーンを映画やドラマなどで見たことはないでしょうか?
あれはダイヤモンドの角が擦り減っていないかどうかを見ているのです。ダイヤモンドは世界で一番硬い物質なので、角が擦り減って丸みを帯びてくることはありません。 一方、模造品は長く使ったりしているうちに、だんだんと摩耗して角が丸くなっていきます。今まで長く愛用されていたお手持ちのダイヤモンドを是非一度虫メガネで観察してみてはいかがでしょうか。
その他に、ラインテストという方法もありますが、この方法は金やプラチナで装飾されているダイヤモンドではなく、裸の粒状態の単品ダイヤモンドでないと使えない方法ですので、説明は省略致します。